銀次郎ブログ

都内の大学1年生です。拙い文章になりますが、本や映画の感想をメインに書いていきたいと思います。

【映画の感想】#10 シンドラーのリスト

この映画はナチスドイツのホロコーストが題材にされており、非常に繊細な話題を扱っている。同じような深刻なテーマでスピルバーグ監督が手掛けた映画にはプライベートライアンがあるが、何方も同じようにメインの人物というよりは、知名度の低い人物が主役になっており、普通の歴史映画では目につかないところを見ることができた。ハンナアーレントアイヒマン裁判のように、現場で実際に虐殺を行っていた兵士は、上の指示に従っていただけだったというのが、最後のシーンに見出せる。シンドラーがもっとお金があればユダヤ人を救えたと悔やむが、裏を返せば人の命に値段が付けられてしまっているという異常さを訴えているようにも感じた。多くの人々が死んでいく裏では、金儲けをして利益を得る人間もいて、戦争がなくならない理由の一つを垣間見ることができた気がした。

【映画の感想】#9 96時間

2008年制作のアメリカ・フランス合作のアクション映画。とても話の展開が早く無駄なところがなかったように感じた。ブライアンがひたすら無双する映画だが、その様子がとても見ていて爽快だったし、なかなかかっこよかった。日本とかでは、見知らぬ人間も助けてハッピーエンドみたいな終わり方が多いが、マトリックスの二作目でもそうだったように、家族とか恋人を助けるのが目標で他は放っておかれるのは文化の違いなのだろうか。一つには熱くなって周りが見えなくなるパターンもあるのかもしれない。それならば、日本でいえば「エヴァンゲリオン」のような作品でも似たようなシーンがあるので言い分としては通るところがある。百歩譲って組織の人間を多数撃ち殺したところに言及されないのはわかるが、一応民間人であるジャン=クロードの奥さんを撃っといておとがめなしとはいかがなものかと思ったが、そこら辺の事情は解決していたのだろうか。それにしても、アマンダの貞操観念はひどすぎるんじゃないかと思った。もしも、これから海外旅行することがあったらこの映画のことを思い出すことにしよう。

【映画の感想】#8 アメイジング・スパイダーマン

アメリカ合衆国の2012年の公開の映画。この映画がスパイダーマンの一作目なのかと思ったら、まさかの以前に公開されていたサム・ライミ監督の「スパイダーマン」のリブートだった。アクション映画でありながら人間ドラマにも富んだ作品だった。今作の主人公であるピーター・パーカーはオタクではあるが、驚異的な力を持っているという、今どきのラノベでよく見るようなキャラになっていた。リザードになってしまい、研究の不完全さを教え、止めるのかと思いきやまさか、コナーズ博士が悪役側に回るとは思わなかった。グウェンの父から、東京のゴジラなんて発言が出たことに驚いた。オオトカゲの印象的にはゴジラが海外でも浸透していることに、日本のサブカルチャーの強さを改めて思い知らされた。今作では、特製の機械を自作し、そこから糸を出しているが、この映画を見るまではずっと、手から直接出ているもんだと思っていたので調べてみると、サム・ライミ版では手から直接出ているとのことだった。おじさんの「困難が人の運命を決める」という言葉がぐっと来た。博士に「お前は一人だ」と言われたときに、グウェンの父が「一人じゃない」と助けに来てくれるのはかっこよかったが、死の間際に、「もうグウェンに近づくな」といったのが印象的だった。ピーターと一緒にいると事件に巻き込まれてしまうからなのだろうか。トカゲから治り、ピーターに敗北したのに、ピーターを助けたのは不思議だったし、「ピーターに手を出すな」と最後のシーンで謎の男に言ったのも不思議だった。また、ピーターの親の事件の真相や、「あの方」という人物に対しても謎が深まるばかりだった。続きが気になる終わり方だった。あと、サム・ライミ版の方も見てみたいと思った。

【映画の感想】#7 最強の二人

初めてのフランス映画だった。共通点もなく、本来なら決して混じわることはないであろう二人が心を交し合い徐々に友情が深まっていく様子を描いた作品。二人の仲は良くなっていく一方どこか隠し事があるような雰囲気を上手く表現されていた。なかなか、コメディ要素も織り込まれており、感動もできるし笑うこともできる作品でもあった。最初のシーンと最後のシーンもうまい具合に繋がっていた。フィリップがドリスを選んだのは、障碍者であるフィリップに対して、障碍者だからと一歩引いて考える他の介護の候補者よりも、健常者と平等に接してくれるドリスのほうが接しやすかったからだろう。障碍者にとっては、過剰にやさしくされるより、ただ単に、肌の色であるとか、身長であるとかといったような一特徴であると捉え普通に接してもらうことの方が気楽だということを学べた。確かに、学校の講演会に以前お越しになった障碍者の方も同じことをおっしゃっていた。この映画が、実話に基づいているというのが一番の驚きだった。これからは、アクション映画ばかりでなくこのようなヒューマンドラマ?系の映画も見ていきたいと思えた。

【映画の感想】#6 ポリス・ストーリー/香港国際警察

1985年公開のジャッキーチェン主演・監督のアクション映画。ジャッキーチェンはこの映画を3個のアクションシーンを先に考えてから、その3個がつながるように制作したらしい。そのため、アクションシーンの作りこみが凄かった。スタントを用いず、もちろんCGも使用していないので迫力が今のCGが多用されている映画とは比較にならないレベルだった。肉弾戦もスピード感があり、見てて手に汗握る戦闘の連続だった。それでいてコメディも豊富にあるので作品全体を通して暗い印象になってしまうことはなく、明るい印象を感じられる。チェンはその有り余る正義感が過激な行動として出てしまうこともあるが、最終的にはしっかり任務をやり通すことができるのがかっこよかった。署長もまた決まりにはうるさかったが、結局チェンに協力してあげるのは署長もチェンを信頼していたのだと感じた。この映画の主題歌である英雄故事も映画にあっていて、個人的にも結構好きな曲だった。ジャッキーチェンの映画も引き続き見てみることにしようと思う。

【映画の感想】#5 インデペンデンス・デイ

タイトルからし独立記念日に関する映画なんだろうと思いながら見てみた。映画の構成はとてもよく、最初バラバラにスタートした人物たちが映画が進むにつれて絡み合っていき同じ目標に突き進んでいくのはとてもうまくできていると感じた。また、伏線回収もとてもうまく、ヒラー大尉がNASAを志望していたことや、デイヴィッドがカンを分別してリサイクルしていたこと、ケイスが飛行機乗りであったことなど後の展開に上手くつながっていた。この三人それぞれが愛するもののために戦う姿には胸を打たれた。特に、ヒラー大尉の宇宙人をワンパンできる腕力には男としては誰しもが憧れるだろう。この宇宙人が本当にグロテスクなデザインで、頭が急に開いた所なんか心臓が止まるかと思った。大統領は時に少し判断が遅れることもあるが国民のことを第一に考え、人望厚く聴衆の心を掴む術に長けているようだった。それを裏付けるのが、演説のシーンで今日がアメリカの独立記念日で、さらに人類の独立記念日であると兵士たちを鼓舞し、それに加え自らが参加することによって兵士や有志の人々の士気を上げている。ここで映画のタイトルが使われてくるのに感心もしたし、国民のためにここまでできる大統領の責任感を見習いたい。コロナウイルスが蔓延る中、この映画のように全世界の人々が協力し合い立ち向かいたいものだ。あと感じたのは、こういうsf系の映画作品だと昨日みた猿の惑星でもそうだったように、自由の女神壊されがちということだ。

【映画の感想】#4 猿の惑星

猿の惑星シリーズの一作目。古い映画ということもあって、最近の作品とは少しテイストが違い味があって見ごたえがあった。この時代では最高レベルの特殊メイクが使われているそうだ。序盤に死んだ仲間が、謎にいきなり猿っぽくなって死んでいたのにそこには何も触れられずに進んでいくのは不思議だった。また、昔特有のカメラワークが自分に合わず酔いそうになった。それに加え、序盤のホラー番組でよく使われているような音楽が少し不快だった。しかし、内容に関してはかなり考えさせられる内容だった。不時着した惑星では人間が獣であるかのように扱われるのだが、それは現実世界では動物に対して人間がほかの生き物に対して行っていることで、私たち人間の動物たちに対する行動を改めて考えさせる。この惑星では、まるで中世の世界であるかのように権威にすがりついて、進歩することに対して否定的であり進歩することができる証拠に対しても無視されるだけで、いま信じられているものに反するものは異端とされ逆に罪に問われてしまう。ここには、人間の過去にしてきたことの過ちが見て取れる。この猿の世界では、神が猿をあらゆる生物に超越する存在として作ったのだと信じている。これは、現実でいう創成期に語られているものに似ている。ここにも人間の傲慢さへの皮肉がよく表れたシーンだと思った。この映画の主人公は一貫して猿に心を開くことはなく、同種である人間に対しても粗暴な振る舞いをする。人間の自己中心的な考え方をこの主人公に投影させているのだろう。猿の博士が「人間は知性と愚かさを持っていたようだ」「領土のために兄弟を殺すのは人間くらいだ」というが確かにその通りかもしれないと納得させられた。映画が作られたのが冷戦の最中だったこともこのコメントの意味を深くしている。うすうす勘づいてはいたが、ラストのここがどこであるかを表す表現方法は見事だった。今の人間が持っている意識のままだとどのような結末が待っているか、よく考えさせられる作品だった。